先輩社員

「誰かのために」という思いが、
技術開発の原動力になっています。

ヒューマンセンシング

プラットフォーム開発部
ヒューマンセンシング技術室

牧野 達哉

2003年入社

「誰かのために」という思いが、
技術開発の原動力になっています。

SECTION 01 人の動作や感情を数値で表す

自動運転技術が大きく進化すると、クルマの使い方はどう変わるでしょうか。将来、クルマを運転する必要がなくなれば、移動しながら本を読んだり仕事をしたり、今までとは違った過ごし方ができるようになります(私が個人的に期待するのは、家族で遠方に出かける際、夜中にみんなで寝ながら移動できるようになることです)。

人とクルマの関わり方が大きく変わろうとしている中、今後ますます重要になるのが、「人」を中心を置いた開発です。たとえば「乗っていて疲れないクルマ」や「酔いにくいクルマ」を作る場合、人の感じ方や体のメカニズムを知った上で車両を設計することが必要になります。そうした開発手法のことを「人中心開発」と呼びます。

私が室長を務めるヒューマンセンシング技術室が取り組むのは、人中心開発を支える技術の企画や研究開発です。人の動作や感情を定量化するための人分析統合プラットフォーム「AVATARmealyze」を開発するなど、新たな価値創造に向けた取り組みを進めています。

SECTION 02 人中心開発を進化させるために

たとえば「酔いにくいクルマ」を作る際、単に揺れにくいクルマを作るのではなく、「そもそも酔いとは何か?」「なぜクルマに乗ると酔うのか?」を知った上で開発を行うのが人中心開発の考え方です。体の動きを測定したり感情の推定を行ったりした結果、仮に「頭が揺れが少ないと酔いにくい」ということが分かったとしたら、頭の揺れに指標を置くことができます。数値的な指標に基づいてクルマの良否を判断することができれば、より効果的にクルマの品質を高めることができます。

これまで、「人」の測定や解析を行うためには、人体のメカニズムに関する専門的な知識が必不可欠でした。また、データを取得・解析する際に、多くの時間と労力を必要としていました(私たちも以前は、試作車に大型のパソコンを何台も積んで計測を行い、何か月もかけて解析を行っていました)。こうした課題を解決するのが、私たちが開発した「AVATARmealyze」です。生体情報などの計測をパソコン1台で手軽に行えるようになり、手続きの煩雑さや解析のばらつきを大幅に低減できるようになりました。

SECTION 03 アイデアを自由に形にできる風土

TTDCに入社する前、私は住宅関連企業で営業の仕事をしていました。その企業で培った提案力やヒアリング力を活かして挑戦したいと思ったのが、「つくる側」の仕事です。トヨタグループの中でも技術開発に特化していて、自由度の高い挑戦ができる環境があることに魅力を感じ、当社に入社することを決めました。

人中心開発の進化を担う私たちの使命は、これまでの時代になかったものを生み出すことです。もちろんそれは簡単なことではなく、試行錯誤を繰り返しながら大きな壁を一枚ずつ乗り越えていく必要があります。そうしたチャレンジを私たちが続ける理由は、「誰かのために自分の力を発揮したい」という思いがあるからです。自分の仕事を通してより良いクルマづくりに貢献し、世の中の人々の役に立ちたい。その考えが、技術追求の原動力になっています。

TTDCは、技術者一人ひとりの挑戦を尊重し、アイデアを自由に形にできる風土がある会社です。社内外の多様な人と協力しながら社会にインパクトを与える製品やサービスを生み出せる環境は、とても刺激に満ちたものだと思っています。

SECTION 04 クルマをより深く知る取り組み

私は、TTDCが参画するラリー活動「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ」でドライバーを務めています。この活動は、クルマをさらに深く知ることにつながる貴重な取り組みです。ここで得た知見が、お客様への新たな提案にも役立っています。